* 指 占 い * 

 

 

「ね、どれか一本好きな指を握ってよ。」

 

いつもながら、こいつの言う事は唐突で。
俺はいちいちそれに驚き、半ば呆れながら問い返す。

 

「はぁ?」
「いいから!とにかく君はどれか一つ選べばいいの!」

 

仕方なく、目の前に突き出された五本の指を眺める。
戦いとは、全くもって無縁そうに見える白くて細い指。
薄い桜色の爪は、きれいに切り揃えられ、つやつやと輝いている。
これらが、剣を握っているところなんて、いつも見慣れているはずなのに。

 

「ん、ほらよ。」

 

仕方なく、中指を軽く指先ではじく。
ごつごつとして、剣の握りダコのある俺の手とは正反対のその華奢さ。

 

「本当に・・・・?」

 

いつになく、真剣な表情で弓親が見上げてくる。

 

「あ、あぁ・・・・」
「そう、よく分かったよ・・・」
「あ゛?・・・・おい!なんなんだよ!」

 

弓親のヤロウ、ぷいと背を向けていじけやがった。
全くなんなんだよ、俺何か悪い事したか?

 

「これ、心理テストなんだよ。」
「はぁ!?心理テストだぁ?それって現世の人間どもがやってる占いか!?くっだらねー!!」

 

爆笑もんだぜ。
最強戦闘部隊の五席ともあろうこいつが、真面目な顔で占いなんてやるから、おかしくて。
言葉通り抱腹絶倒する俺を、弓親はふくれっ面でにらみつけてきた。
あぁ、笑いすぎてあごが外れそう。

 

「うるさい、笑いすぎだよ。」
「・・・・はい、すんません。」

 

ぴしゃり、と。

 

「副隊長に教えてもらったんだ。いいかい?相手に自分の指をどれか1本選ばせる。
すると、相手が自分に対してどんな感情を抱いているかが分かるのさ。便利だろう?」
「ゆ、ゆみ」
「親指だったら信頼、人差し指なら好き、薬指だったら大切、小指だったら恋、
・・・・そして、君が選んだ中指だったらば・・・・『嫌い』」
「はぁ・・!?おまえ。いい年してそんな迷信信じてんのか?」
「だって、死神がいるくらいだから、心理テストくらいあっていいだろう?」
「うるせー!んな女々しいモン信じてんじゃねーよ!」
「もう!君は人の繊細な神経が分からないやつだね!」

 

いよいよ弓親は、きびすを返してどこかへ走って行ってしまった。

 

「たいちょー!斑目三席が仕事サボってますー!」
なんて言い捨てながら。

残された俺は、やれやれと頭を掻いた。

 

 

「あーあ、中指が一番キレイだったから、だなんて言えるかよ。」

 

クソ、全くついてねぇ。

 

 

 

 

 

終。

 

初角弓。つか角弓になってるかしらん!?とりあえず痴話喧嘩(笑)
ゆみちはゴーイングマイウェーで勝手に色々勘違いして、一人でぐるぐるとしてるといい。
一角は、それに振り回されてつつ、憎めないんだよきっと。
結局弓親は一角に好きだと言わせたいんだよ、ちくしょう、ラブラブばかっプルめ!!

この占い、昔修学旅行でバスガイドさんが教えてくれたのですが、聞いた途端「これはゆみちだ!」と
思いましたよ・・あぁ。

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