最近の魔王陛下を悩ませているモノ‥それは‥‥
第27代魔王陛下の婚約者、わがままプーこと「ヴォルフラム」でした。

 

Fiancé

 

「ユーリー!!今つい‥‥何をしてるんだっ!?このぉ〜浮気者ぉ!!!」
「ヴォルフラム!誤解だ、誤解!!」
「誤解だとぉ!?僕は騙されないぞっ」
「ちょっ、落ち着けよ」
「僕は十分落ち着いている!!さっきの女は何だ!?なんで、お前と手を取り合い見つめ合ってたんだ!?」

さっきから凄い剣幕で迫ってきているのは、俺の婚約者であるヴォルフラム。
いつもの如く水に吸い込まれ、着いた所はか弱き女性の上。
そして、助け起こしている所に運悪く白馬に乗った王子様‥もとい婚約者様ご登場。
そして今に至る。
『あぁ‥睨らんだ顔もキレイだ』な〜んて思ってる暇なんてないんだけど‥つい見とれてしまう。
唯一の証言人である女性の姿は、気づいたら無かった。
おかげで疑いを晴らすことは、なかなか困難な状態に陥ってしまった。

‥あれは‥‥その‥」
「僕と言うものがありながら‥ユーリなんか嫌いだぁぁぁあぁああぁあっ!!!!!」
「ヴォ‥ル‥っ‥」

俺の引き止めようとした手はむなしく空をきる。
弁解する暇もなく、彼は馬に跨り、もの凄い速さで走り去ってしまった。
俺、一人を残して‥

あの場面だけを見れば誰でも誤解するだろう。
仕方が無かったとしても、ヴォルフラムを傷つけたと言う事実は変わらない。
罪悪感が心に重くのしかかった。

「陛下‥またですか?」

声のする方向に振り返る。
そこにはいつもと何ら変わり無い微笑みを浮かべるコンラッドがいた。

「陛下って言うな、名づけ親!」

「すいません、つい癖で。追いかけなくて良いんですか?」
「行きたいけど‥今すぐ行っても会話にならないだろ」
「そうですね。それで、今日は何をしたんですか?かなり怒っている様に見えましたが‥」
「俺の下敷きにしてしまった女性を助け起こすシーンを見られたんだよ、ヴォルフラムに。そりゃもう、バッチリ誤解するようなタイミングでな」
「‥お怪我は?」
「無いよ。ほら、この通り!全然平気っ!!」
「良かった。それでは、すぐ城に戻りましょうか」
「おうっ」


ヴォルフラムに置き去りにされた俺は、コンラッドの登場によって無事城へ戻ることが出来た。
一応、明るく振舞ってはいるが‥正直言って気が重い。
城ではいつもの如くギュンターからの熱烈な歓迎を受けた‥
そうやって出迎えてくれるのは嬉しいけど、ギュン汁は飛ばさないでほしい。
グウェンダルにも顔を見せに行ったけど、やっぱり不機嫌な所は変わってなかった。
そんな事をしている間も、ヴォルフラムの事が頭から離れない。



「どうかしましたか?」
「あのさ‥まだ怒ってると思う?」
「ヴォルフラムの事ですから、ユーリが謝るまで機嫌は直らないと思いますよ」
「そーだよなぁ‥傷ついた顔してたし‥‥」
「でも、嫉妬されるのは愛されている証拠でしょう?」
「‥そっか‥‥サンキュ!コンラッド!!やっぱり、このままじゃ駄目だよな。俺、謝ってくるっ」


したくてした求婚ではなかった。
最初から俺に対して敵意むき出しで、ホントに最悪な印象から始まった俺たちの関係。
けれど、今はこんな関係も良いなって思い始めていた。
ハッキリとヴォルフラムが好きだって言える。
短気でワガママで意地っ張りで‥‥そんな性格さえ愛しい。
ヴォルフラムを悲しませたくないし、悲しませるものは許せない。
俺は自分の寝室へ‥‥全速力で走り出していた。
城の中でヴォルフラムが逃げる場所として思い当たるのはココしかない。
入り口で大きく深呼吸をして息を整える。
扉をソッと‥出来るだけ音を立てないようにしながら開いた。


「ヴォルフラム?」


声をかけ中の様子を窺うと、ベッドの布団の不自然な山がビクッと反応した。
やっぱりいた‥と、俺の心に安堵感が広がったのも束の間‥‥

「入って来るなっ!!!」

ハッキリとした拒絶。

 

でも、ここまで来たら俺も引くわけにはいかない。
意を決して中に入り、扉を閉めた。

 

「入って来るなと言ったハズだ」

 

声がとてつもなく怒っている。
冷たい張りつめた空気が俺たちの間を流れた。
ヴォルフラムは一度もこちらを見ず、布団で体を覆い俺に背を向けている。

 

「弁解くらいさせてくれよ」
「裏切り者の話なんて聞きたくないっ!!」
「だから誤解だって言ってるだろ」
「お前は‥そんな戯言が信じられると思うのか?」

 

‥泣いてる?

 

冷たい怒りの声に震えた声が混じっていた。

 

俺が泣かした?

 

俺が傷つけた?

 

俺は‥最低だ‥‥

 

気づいたらベッドに駆け寄り、布団ごとヴォルフラムを抱きしめていた。

 

「ユーリ!?はっ、離せ!!」

 

「嫌だ。離したらお前逃げちゃうじゃんか。このままで良いから聞けよ。
‥今回、着陸した所があの女性の上だったんだ。その女性を助け起こしていた、ちょうどその時にヴォルフラムが迎えに来てくれたんだよ。だから、全部誤解。俺とあの女性は何でもないの!浮気なんかしないし、してない。すぐに説明できれば良かったんだけど、つい俺も動揺しちゃって。ごめんな‥泣いてたんだろ?傷つけて、本当にごめん!!」
「‥‥ほ‥本当なのか?」
「さっきからそう言ってるじゃんか!俺が好きなのはヴォルフラムだよ。まだ、信じてくれない?もう、俺のこと嫌いになっちゃった?」
「‥信じる。ヘナチョコのユーリには僕がついていないと駄目だからな!!」
「よかったぁ〜。はぁ‥なんか気が抜けた」
「だからヘナチョコなんだ、お前は!」
「そのヘナチョコが好きなんだろ?」
「っ‥」
「可愛い‥いつもそれぐらい素直なら良いのにな♪」

 

そう言って布団の中のヴォルフラムを覗き込んでみると、案の定、顔を真っ赤にしていた。

 

「この、ヘナチョコぉおぉぉおお〜!!!」

 

これは照れ隠しと受け取っておこう。
ヴォルフラムといる限り、悩みの種はつきないけど‥俺の大切な人です。

 

 

 

 

 

 

 

ヲタモダチの高峯司ちゃんからいただいちゃいましたーえへへ♪
実はユヴォル好きです!わがまま美少年受けとへたれ攻め万歳!!
(今まで好きになったBLカップルってみんなこのタイプ。修弓を筆頭にテニスの赤観とか)
ヴォルフってあんまりユーリに愛されてる自覚なさそうですよね。
なので、こういう誤解をするとどんぞこまで落ち込んであることないこと想像してわたわたしてそうです。
そういうところにユーリは胸きゅんしちゃうのでしょうね。かわゆいなぁー。
らぶらぶな二人に萌ゆるよー!ごちそうさまです!!

司ちゃん、素敵文をありがとうございました!
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永遠の四葉

 

 

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