「±0」
他隊の人は、僕と君が仲が良いのを知って不思議に思うらしい。
たまに、知り合って間もない他隊員に「何から何まで正反対でよくやっていけますね」なんて言われたりする。
その度に、僕はなんだかおかしくなって「だから、ですよ。」なんて言い返す。
『ねぇ、僕たちって俗に言う“おうとつコンビ”ってやつ?』
『はぁ・・?(しかも“でこぼこコンビ”だっての)』
『だってさ、僕は鬼道得意だけど君はまるでダメだし、その分手先は僕がさっぱりな分、君は器用だし。』
『おまえ不器用だもんな。』
『無器量だって!?失礼な!』
『不器用だっての。』
『あ、なんだ。』
『おまえ背ちっさいけど俺高い方だし』
『失礼な!ここ50年で1寸も伸びたよ』
『・・・・。』
『それにさ、髪型も僕が長い分君はさ・・ぷぷっ』
『あん?なんか言ったか?』
『べつにー!』
趣味も、考え方も、出会うまで生きてきた世界も、君と僕とは全く違うけれど。
だからこそ僕たちはこうやってずっと一緒にいて、そしてきっとこれからも一緒・・だといい。
二人足して±0。なんて素敵なこの偶然。
『でも美しさに関しては、二人足しても0以上だよね。』
『それって俺がどんなに不細工でも、おまえが有り余るほど器量が良いっていいたいわけか・・?(こいつなら言いそうだ)』
『まぁ、それもあるけど。』
『・・・・やっぱりな。(このナルシストめ!)』
『君も僕も美しいから、足したらありあまりすぎて困っちゃうよね。』
大まじめに、にこにこと言う弓親に呆れつつも、まんざらでもないな、と一角は苦笑した。
そして多分、お互いを思う気持ちも足して余りあるほどだ、と思った。
あ、あの,
バカップル・・っていうかただの馬鹿二人ですみませ・・!
本誌のシリアス展開に泣きたくなって当時その反動で書いた気が(苦笑